目指すところ
東京里山開拓団は、児童養護施設の子どもたちとともに、社会に埋もれていた荒れた山林や空き家などの資源を活用し、心に眠っていたボランティア&開拓者精神を発揮することによって、「ふるさと」を楽しみながら自ら創り出して真に心豊かな社会の実現を目指します。
■荒れた山林・空き家
日本の山林の多くは林業の衰退、ライフスタイルの変化、過疎化・高齢化などで人が入らなくなり、荒れた山林が増加する一方です。それが獣害、土砂崩れ、不法投棄などの被害を拡げています。統計はありませんが、私たちの推定では未活用の山林は国土の3~5割に及ぶはずと考えています。加えまして、いまや都市部にも荒れた空間があふれています。空き家の数は全国の家の7分の1、900万戸に及びます。高い家賃に苦しんで困窮する人がたくさんいる一方で、たくさんの家が使われることなく放置されているのです。
■子どもの虐待・貧困
虐待や貧困などから社会的保護が必要とされる児童は急増しすぎて受け入れることもままならない状況にあり、保護されても心のケアや緊急時、退所後支援に課題を抱えています。その数は命の危険にさらされて児童養護施設にいる子だけで3万人。先の見えない不安な状況にある子たちとなると、日本全体では優に100万人を超える規模となるはずです。
これらは社会の片隅の小さな問題ではありませんし、分野の違うつながりのない問題でもありません。日本社会のひずみというマグマが大きく膨らんでいて、それが最も地盤の弱いところから順に噴出しはじめたものととらえるべきなのです。だから、長年行政や専門家、事業者が巨額な税金をつかって局所的にふたをしようとしてみても全く収まらないのです。
そんな大きな社会課題に対して、一市民はどう関わればいいのでしょうか。私たちは、何もせずにあきらめるのではなく、長年誰も近寄ろうとしなかった荒れた山林や空き家に自ら直接関わって、新たな可能性を妄想するところから始めることにしました。それから、児童養護施設の子どもたちとともに年齢や立場、境遇も乗り越えて一緒になってボランティア&開拓者精神を発揮するよう心掛けました。15年以上続けてみて、そうすることによって本当に価値ある「ふるさと」を自ら創り上げていけるかもしれないという手ごたえが得られるようになりました。それは、私たちなりの児童福祉と環境保全の一石二鳥の試みでもありました。
こんな試行錯誤を楽しみながらずっと続け拡げていった先にこそ、もしかしたら真に心豊かな社会が生まれるのかもしれないとまで私たちはいま妄想を拡げているのです。
代表の思い
代表の堀崎が荒れた山林で泥まみれ、空き家でほこりまみれになりながら感じたこと、考えたことを気ままにつづっています。
施設退所者とのフリーシェアハウスづくり開始!(2023年12月)
里山付き別荘「さとごろりん菅生」オープン!(2021年7月)
児童養護施設との里山開拓・第5回「サッカーより里山」(2012年11月)
児童養護施設との里山開拓準備・第4回「心の中の里山」(2012年9月)
児童養護施設との里山開拓・第3回「大人も子どももなく」(2012年5月)
児童養護施設との里山開拓・第2回「未知の世界の開拓者」(2012年4月)