NPO法人 東京里山開拓団

東京の荒れた山林を児童養護施設の子どもたちとともに開拓し自然の恵みを活用するボランティア団体です

東京里山開拓団の目指すところ

東京里山開拓団は、荒れた山林の開拓と自然の恵みの活用を通じて、現代都市社会の抱える課題の克服に貢献します。

環境保全活動として

かつて山林は貴重な収入源や生活資源として活用されてきました。しかし、1960年代以降、林業不況、後継者不足、エネルギー源の変容、不在地主化などが進行し、最近は所有放棄が社会問題となるほど、価値がない存在、あるいは税金がかかるだけの負の資産と見なされています。一方で、一部の山林は「里山」という生物多様性など豊かな環境や自然と共存する日本文化の象徴として守るべき存在として注目されつつあります。

一方で価値なしとされ、一方で大いに価値ありとされる山林ですが、一体本当はどちらが正しいのでしょうか。私たちが実感しているのは、放置されるほど人が入りにくくなり利用価値は失われていきますが、もし人が入れるようになれば今も様々な新たな価値を発見できる場に生まれ変わるということです。ポイントはどうやって人が入れるよう手入れし続けるかにあります。

ただ勘違いしてはならないことは、単に手を入れさえすれば環境保全になるという訳ではありません。すでにそこには荒れたままの山林環境に適応した生物たちがたくましく生き抜いていますし、継続して関わらなければ結局は環境をかく乱しただけとなることもあります。「里山整備は環境にいい」というイメージや思い込みに流される前に、まずは浅はかな考えや行動を繰り返してきた自分たち人間の歴史を見つめなければならないとも考えます。

そこで、私たちは、自分なりの制約を課して試行錯誤しながら自然とかかわることにしました。その関わり方とは、現地の個別状況をよく観察すること、機械やお金の力に頼らず自らの頭と手でできる範囲にとどめること、自然の恵みを知恵を絞って無駄なく活用すること、外から資材はできるだけ持ち込まないこと、自然の再生力を生かし再生産を促すこと、自分たちの活動の影響を検証すること、必要なら見直しつつ継続して関わり続けることなどです。こうすることによって、自然とその一部でもある人間にとって本当によい里山保全のあり方を模索し続けています。

社会福祉活動として

現代都市社会は世界中で爆発的に増える人口を吸収して便利で豊かな生活を実現してきましたが、一方で根深く大きなひずみを生み出すにいたっています。競争社会、スピード社会、持てる者と持たざる者の二極化、利権構造、大量生産・大量消費社会、環境の悪化、情報の氾濫、利己主義の蔓延、つながりの希薄化、精神の疲労・・・こうしたひずみはまず弱い立場の人のところで顕在化しますが、たいていは社会課題の根源には誰も手を触れることなく個人的な問題として処理されていきます。むしろ内心、問題は解決されないままの方がお金になると思っている人が増えているようでさえあります。

私たちは児童養護施設の子どもたちと直接関わり、置かれた環境を深く知るにつけてこの思いを強くしています。それは、お金だけでは解決しようのない心の問題であり、私たち大人が作り上げてきた現代都市社会の構造上の問題でもあります。

でも批判や理想ばかり言っていても何も変わらない現状を前に、まず自分自身でやれるところからやってみようと思い立ちました。今、私たちは児童養護施設の子どもたちが荒れた山林を一緒に開拓する体験を通じて、自然や社会、仲間、そして自分自身を再発見しつつ、たくさんの楽しい思い出に包まれたかけがえのない「ふるさと」を自ら作り出すことに取り組んでいます。「ふるさと」こそが児童福祉の関係者・行政・専門家が提供しようと思い描くことすらなかったもの、そして何より家庭から離れて暮らす子どもたちが心から求めているものだからです。

そしてさらにその先に、私たちはこの活動をモデルとして、自然のチカラとボランティアの力を活用することで、たいしたお金もかけずに楽しみながら、これまで描くこともなかった高い目標を実現する社会福祉の理想形を追求できればとも思い描いているのです。

代表の思い

児童養護施設職員との里山研修合宿(2018年12月)

『森の思想』を読んで(2018年9月)

追悼・かこさとし先生へ(2018年5月)

里山という共同幻想(2018年1月)

私たちのツリーハウスの作り方(2017年4月)

里山のチカラ(2016年10月)

里山開拓の意義を再考する(2016年6月)

未経験の壁を越えて(2016年5月)

東京にふるさとをつくろう(2015年12月)  

里山の本当の価値(2015年7月)

子どもたちが教えてくれたこと(2015年2月)

手作りへのこだわり(2015年1月)

10年かけて目指すところ(2014年2月)

児童養護施設との里山開拓・第5回「サッカーより里山」(2012年11月)

児童養護施設との里山開拓準備・第4回「心の中の里山」(2012年9月)

児童養護施設との里山開拓・第3回「大人も子どももなく」(2012年5月)

児童養護施設との里山開拓・第2回「未知の世界の開拓者」(2012年4月)

動物写真から伝えたかったこと(2012年3月)

児童養護施設との里山開拓報告・第1回「何もなかった」(2012年1月)

東京里山開拓団の意義(2011年6月)

開拓団立上げにあたって(2009年4月)

「山稼ぎ」とは(2009年)

「里山開拓」とは(2009年)

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