NPO法人 東京里山開拓団

東京の荒れた山林を児童養護施設の子どもたちとともに開拓し自然の恵みを活用するボランティア団体です

東京の荒れた山林を児童養護施設の子どもたちとともに開拓し自然の恵みを活用するボランティア団体です

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 目指すところ>代表の思い>東京里山開拓団の意義(2011年6月)

東京里山開拓団は、荒れた里山を開拓し、特に必要とする子どもたちとともに活用する、ボランティア団体です。

荒れた里山を開拓する

荒れた里山の開拓がなぜ必要なのでしょうか。

昨今の里山ブームで、都市在住の人々を中心に里山は生命のあふれる快適な空間といういいイメージが拡がる一方で、多くの人は里山との接点がないと考えています。

ところが実際には、大都会・東京でも車や電車で都心から1,2時間も出ると、荒れ果てた里山にあふれています。林業が成り立たず、農業や生活でも利用されることがなくなって数十年の月日が経ってしまったからです。

実際、荒れた里山に入ってみると、かつて人の入れた山道がなくなっています。うっそうとした藪に覆われているので、日差しは遮られ、風通しは悪く、見通しも利きません。蚊や蜂など不快な虫もあふれています。しかも少しばかり手を入れても数ヶ月経つとまた元の藪に戻ってしまうので、地主も地元も荒れた里山にわざわざ手を入れようとは考えもしません。

しかし、荒れた里山も道や広場などを作って定期的に人が入れる環境ができるようになれば状況は変わります。素人でも集まって段取りよく進めれば里山開拓は十分可能です。

里山の価値が見直されている今だからこそ、私たちは荒れた里山の開拓を広く進めていきたいと考えています。

こどもたちとともに活用する

それでは、こどもたちとともに里山の活用を進める意義はどこにあるのでしょうか。

はじめは何もないと思っていた荒れた里山も、荒れた里山開拓を進めていくうちに、実は目に入るもののすべてが活用可能な資源であることに気づきました。木は工作に、土は畑に、葉は腐葉土に、粘土は焼き物や壁材に使えます。雨も貯めて活用できます。身近な里山は大人も子どもも自然の力をどう生かすかを自ら考えて世界を豊かにすることのできる創造の場なのです。

考えてみると、人間の暮らしの根本は昔も今もすべて自然の恵みを活用することで成り立っています。でも都市社会に浸り自然との直接のつながりを失う中で、そのことをすっかり忘れて人間の力だけで成り立っているように勘違いをしてしまいがちです。

また、里山にあふれているのは、知恵と工夫で懸命に生きんとするたくましい生命でもあります。人間もここに来るとあふれる生命の一つにすぎません。

それと比べて、都市に暮らす自分は、確固としているようで危機になるともろい経済や社会の仕組み、膨大なのに表面的な知識や情報といった存在に、自分を守ってもらおうとするばかりで、自らの力で生きんとする生命と比べるとなんとひ弱なことかと感じることさえあります。

都市に暮らす人ほど、里山に入って自然との直接的なつながりを取り戻すことで、本当にたくさんのことを感じたり考えたり出来ます。大人でもそうなのだから、多感で将来ある子どもたちにとってはなおさらです。

私たちは、子ども支援団体との連携により、特に自然との関わりを必要とする子どもたちとともに里山の活用を進めていきたいと考えています。

ボランティアで行う

なぜボランティアで行うことが必要なのでしょうか。

これまで何十年も荒れた里山には、地元も地主も自治体も本格的には手をつけようとしてきませんでした。そこには、経済的・地域的・公共的な観点からだけでは進まない背景があります。

でも、以上見てきたとおり、荒れた里山に手を入れて入れる里山を増やすこと、そして子どもたちとともに自然の恵みを活用することには、都市社会の弊害が指摘される現代だからこそ、社会的価値があると考えています。

だからこそ、私たちは、この活動の社会的な意義に共感し自らも楽しみながら協力してくれるような方々に集まっていただきボランティアで進めていきたいと考えています。

荒れた里山は日本に残されたフロンティア

荒れた里山は日本に残された数少ないフロンティアと考えています。

数十年も放置され、価値のないものして見放されていたからこそ、人間の関わらない未活用の自然がそこにあり、ボランティアで自然の恵みを活用する可能性が生まれているからです。

私たちは荒れた里山というフロンティアを開拓しつつ子どもたちとともに自然の恵みに新しい価値を見出していく活動をボランティアで推進していきたいと考えています。

 
                                            2011年6月 東京里山開拓団代表 堀崎茂

NPO法人 東京里山開拓団
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