NPO法人 東京里山開拓団

東京の荒れた山林や空き家を児童養護施設の子どもたちとともに再生しふるさとを自ら創り上げるボランティア団体です

     

東京の荒れた山林を児童養護施設の子どもたちとともに開拓し自然の恵みを活用するボランティア団体です

活動紹介①児童養護施設のふるさとの山づくり:『里山開拓』

児童養護施設との里山開拓の運営


児童養護施設との里山開拓の準備は、開催の約1か月前からはじまります。まず児童養護施設側・会員側の日程調整や参加者調整を行って確定します。次に、毎月平日夜に開催される準備会議やメールでこれまでの里山開拓の反省や児童養護施設の意向を踏まえた企画案、食事案、役割分担を決めます。そして参加者同士のメール交換を通して、企画具体化・食材準備・保険・備品調達その他の準備、天候を踏まえた実施判断を行って里山開拓当日を迎えます。

里山開拓当日は会員側が先に里山に行って、当日の予定や役割分担の確認、危険箇所確認などを行います。そして、児童養護施設側と合流した後自己紹介や広場整備などをした上で午前中は四季の自然の恵みを活用した様々な企画を行います。できるだけ子どもたちの気持ちや意向に寄り添って現場状況に合わせて臨機応変に推進することを心がけています。

お昼は手作りした石かまどに枯れ木を集めて火を起こし、食材を調理して、たき火料理を作ります。事前に季節の食材を生かしたシンプルな料理を会員側で考えて食材を準備し、子どもたちとともたちと協力して作り上げていきます。

午後は自由時間にしています。ハンモックや展望台で休んだり、木の工作をしたり、虫や花を探したり、駆け巡って遊んだりと思い思いに過ごします。この時間は、みんなが自由にいろんなことを話したりチャレンジしてみたりする大切な時間です。

14時半頃集合写真を撮って下山し、ふもとで児童養護施設のみなさんと別れ、バスで高尾駅に15時半頃到着して会員側も解散となります。

その後メールにて会員側ではアンケートを行って反省点などを共有し、今後の企画検討の際役立てるようにしています。

私たちが児童養護施設との里山開拓を推進するにあたってとても大切にしているのは「よりたくましく、よりすこやかに」という活動方針です。これは子どもの遊び研究家で絵本作家のかこさとしさんからいただいたメッセージであり、それに感銘して私たちの活動方針として掲げ続けているものです。子どもたちがたくましくすこやかでいられなくなった原因は子どもたちの側ではなくむしろ大人たちの側にあるのではと、私たちは考えます。だからこそ、子どもたちが自分自身の可能性、本当の感覚や感動、自然との本当のつながりを実感し、よりたくましくよりすこやかな心が育んでいくには、子どもたち以上に大人自身が長年の都会生活で染みついたあるべき論や固定観念、言動から離れることが求められると思っています。私たちは、大人が子どもに「自然の大切さ」や「自然との関わり方」を指導したり提供したりするような進め方ではなく、現地で調達できる自然の恵みと直接向かい合って、子どもたちの自発的な意志や自由な発想を尊重しながら、大人も子どもも一緒に試行錯誤しながら活動を作り上げていく進め方が理想的と考えているのです。


> 企画例

会員による里山開拓準備

何十年も人が入らず荒れ果てた山林はまずは現地状況をよく確認して道や広場を作り、人が気軽に安心して入れる状態にする必要があります。さらに、座る場所やかまど、水タンク、各種遊具など里山に通いたくなる状態にしていく必要もあります。また、一度整備した後も、雑草雑木の繁茂、台風による倒木やがけ崩れ、危険な生き物との遭遇などへの対処として定期的に通って状況確認や開拓整備を継続することが必要となります。そこで「会員による里山開拓」(不定期)も適宜行っています。

私たちの里山は八王子市美山町の集落の裏山です(現在は代表が所有)。高尾駅からバスで約20分でふもとに到着し、ヒノキやスギの林を抜けて尾根伝いに約15分・標高差で100mほど登った雑木林の中に私たちの伐り拓いた活動の場があります(標高は342m)。車なら八王子西ICより5分と都心から1時間余りでアクセスできます。


活動紹介②児童養護施設の子どもたちとの交流

児童養護施設との里山開拓をより有意義な機会とするには、参加する人たちが里山・児童養護施設・本活動への理解を深め、お互いの信頼関係を高めていくことが不可欠です。そこで、里山以外でも児童養護施設の職員・子どもたちとの交流を推進しています。

◇里山スライド上映会:過去の里山開拓写真を、たくさんの子どもたちや職員の前で上映。

◇施設職員との里山研修合宿:職員と会員が参加して里山現場や宿泊施設での研修合宿を実施。子どもたちにとっての里山開拓の意義について理解を深め、内容や進め方の改善を検討。

◇学生支部による施設訪問:直接施設訪問やオンライン交流を実施して、子どもたちとの遊びやおしゃべりを通じて日常生活面での心のケアや里山への動機づけを推進。


活動紹介③企業社員向け里山研修会議サービス:『アット里山』

私たちの活動は基本的にボランティアのチカラで推進されていますが、交通費や保険代、道具・材料費、報告・研修対応などで年間数十万円の経費がかかります。この費用はこれまで企業や行政からの助成金や個人からの寄付などで賄われてきましたが、もっとすこやかに・もっとたくましい運営を目指して里山を活用した自主事業を立ち上げることにしました。それが私たちの里山を提供して企業社員が研修や会議を行う有償サービス『アット里山』です。開始以来着実に実績を重ねて参加者からは高い評価をいただく人気サービスです。

私たちの里山は都心から1時間余りで行くことができ、そこにいくだけで都心の3密を避けて焚火やハンモックで心を解放しながら意見交換をしたり、身近に再発見した大自然と直接触れたり、自分自身や周囲、社会とのかかわりについてたくさんの気づきを得たりすることができます。さらに、社会貢献やブレスト、チームワーク、健康経営など企業のニーズに合った研修・会議プログラムをアレンジすることでいつもの社内では得られない体験と思索の機会となります。ただ今参加企業を募集中です。詳しくは紹介チラシをご覧ください。


活動紹介④全国の里山紹介サイト運営:『日本ノ里山ヲ鳥瞰スル』

里山に通いたいけど近くにない・・・という声をよく聞くようになりました。一方で、全国各地で誰も入らなくなって荒れた山林が増え社会問題となっています。このミスマッチがどこからきているのだろうかと考えました末に、その課題の一つは里山の情報発信方法にあると気づきました。つまり、多くの人が里山についてはネットやテレビなどで目にするものの、たいていは情報が蓄積されずに垂れ流しにされ、自分の身近なところでどこに里山や里山候補地があってどんな活用ができるかよく分からないのです。

そこで私たちは、まずはあふれるインターネット上にあふれる里山活用のニュースを地図上に整理するWEBサイト「日本ノ里山ヲ鳥瞰スル」の運営を2019年に開始しました。掲載件数はすでに1000件と全国随一の規模となっており、いつか里山と人をつなぐことで全国の荒れた山林を社会的活用を全国拡大に貢献できる存在となりたいと思い描いています。(すみませんが、ただ今活動を一時停止中です)


上記活動を支える組織運営

私たちは、小さなボランティア団体が上記の取組みを継続・発展していくにはどうしたらいいだろうかと考え抜いた末に、こんな組織運営を推進しています。運営方針面では、忙しい社会人ボランティアが空き時間でも関わりやすいよう参加強制などは一切なく、自発的・自主的な役割分担を行います。会員は毎月1回平日夜に下北沢の公民館あるいはオンラインなどで実施する準備会議にて、次回の里山開拓や組織運営について話し合います。財政面では助成金などを確保して交通費補助を行うなど会員の金銭的負担を極力抑えるようにしています。支出の大半は直接経費(交通費、食費等)に充当し、常勤職員やオフィスなどの固定費も抱えないようにしています。また、支援者他にとって分かりやすく公正な運営となるよう活動計画や決算書類などの開示を行います。毎年春には活動報告会を行って、会員・サポーター・連携先・理事・監事はじめつながりのある多くの方々とともに前年度の活動を総括しながら今年度の施策を共有します。


【主な役割】

代表:本活動が継続・発展できるよう、組織運営全般に責任をもって計画立案・内外連携・役割分担・実施遂行・活動総括を行います。

広報:会員・支援者・支援先・連携先が拡大できるよう、WEB、SNS、マスメディアなどを介して活動や組織の紹介を推進します。

研修:会員や関係者の本活動への理解が深まるよう、準備会議や合宿研修にて里山開拓に必要な自然・児童・社会課題等の知識共有、安全・企画面等の協議などを行います。また、里山開拓にて様々な役割を交代で担当することにより実践的な知見の習得を進めます。

総務:会員や関係者がうまく連携して成果が出せるよう、新入会員への対応、会員間のコミュニケーション促進、関係者との連携促進、NPO法人の事務などを行います。

会計:施設や会員の負荷を減らして活動が促進できるよう、助成金や会費、事業収益などを集めて適正に管理し透明性の高い報告を行います。

理事・監事:本活動が継続・発展できるよう、経験や専門性、人脈を生かして、活動のあり方や継続・拡大に向けた助言を行います。

個人・法人サポーター:資金面などで間接的に活動の支援を行います。

全国最大級の里山紹介サイト 日本ノ里山ヲ鳥瞰スル

NPO法人 東京里山開拓団

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